とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


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翌日の午後、私は早速アンに会うべく町へと繰り出した。

今回は、アンの格好を真似て動きやすいワンピースといったシンプルな服装。

さらには、なるべく目立たないようにと色味もアースカラーを選んだ。

これでどこからどう見ても普通の町娘よね…!

鏡で自分の姿を確認し、私は気づかれないよう静かに自室を後にする。

街までの行き方は、手慣れたもので邸の厩舎から1頭馬を拝借した私。
そして、颯爽と馬に跨り、走らせること数刻。

景色も見慣れた風景へと変わり、街の入口へ到着する。

さてと、とりあえず騎士団の詰所へ向かうとして…この時間帯ならアンは執務室かしら…?

近くの厩舎に馬を預けた私は、徒歩で詰所へと歩みを進めた。

途中、見回り中の騎士団員とすれ違うも全く気づかれることなく私は内心ほくそ笑む。

フロイドの姿しか知らない彼らからしたら、まさか本人がワンピースを着て街中を歩いてるなんて夢にも思わないでしょうね。

まぁ、私の変装技術があがってるとも言えるけど。