とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


「私的には、フローラとシェラード公爵ってお似合いだと思うけどなぁ。騎士団でだってお互いの正体を知らない状態とは言え、それなりに仲良くやってたでしょう?相性は悪くないと思うんだけどねぇ」

「それは、男としての私であって…」

反論しようとする私を嗜めたミリアは、テーブルに頬杖をつくと、「でも、悪いけど私の頭で思いつくのはこのくらいよ。本当に婚約破棄したいなら後はフローラが頑張らないとね」そう言葉を紡ぐ。

「…わかってるわ。ミリア、一緒に考えてくれてありがとう。とりあえず私にできること考えてみる」

「ま、話くらいなら聞いてあげられるからいつでも呼んで?さて、と。私もそろそろ帰らないと…!今日は婚約者と食事の約束があるからね。じゃ、フローラ、また今度ね」

それだけ言い残し、サッと立ち上がったミリアは、私に向かってヒラヒラと手を振りつつ私の部屋を後にした。

なんだかんだ言いつつも、ミリアは婚約者のことを好きみたいだし、デートの日は笑顔が一段と眩しい。

もちろん、私だって心から好きな人と結ばれたい…!なんて、おとぎ話のようなドラマチックな恋とやらに憧れた時期もあった。