キッパリと、そう言い放った私は、

「お話が終わりなら、私はこれで失礼いたします。シェラード公爵家には私から一旦お手紙を出すようにいたしますので…それでよろしいですか?」

と、告げると優雅にお辞儀をする。

「…うむ。とりあえず、会ってくれるのであればそれで良い。…もう下がっていいぞ」

私の発言に少しホッとしたような表情の父。

しかし、父の思いとは裏腹に、私は、内心で既にある計画を立て始めていた。

…この婚約、どうやってなかっことにしようかしら。

「お父様、失礼いたします」

父の前では最後まで笑顔を崩さず、会釈をして部屋を後にする。

「まずは、お姉様達とミリアからもシェラード公爵家のロイ様について、情報収集しなくては…」


自室に戻る長い廊下を歩きながら、頭の中で婚約破棄に向けての準備を着々と進めていたのだった。