とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


「客人とはどういう…?」

ルークもそこが引っかかったようで、ロイに向かって不思議そうに問いかけている。

ちょうど私も聞きたかったことに対して、質問してくれたルークに内心感謝しつつ、彼からの返答を待った。

「お前にはあとで説明する。とりあえず今は下がれ。私は彼女に用がある」

「…し、しかし」

「2度言わせるなよ…?」

「…!!も、申し訳ありません…失礼いたしました!」

「え…!ちょっと…ルークさん!?」

少し低くなった声色に臆したのか、ルークはロイに向かって一礼すると、足早にその場を立ち去ってしまう。

嘘でしょ…?

その場に残された私は、パッと自分の足元に視線を移し、ロイから顔を見られないよう画策した。

いくら何でも…私の姿を見て公爵令嬢だとは思わないはず…。

「……」

「……」

そんな中、気まずい沈黙を破ったのはロイの笑い声で…。

「…ハハッ。お待たせしたのは申し訳なかったが、まさかそんな姿で邸宅内を散策されてるとは思わなかったですよ。キャンベル公爵令嬢」

…!?
ば、バレてる…。