とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


座っていたソファから腰を上げ、私はスタスタと優雅に部屋の入口に近づいた。

そして、扉に手をかけソッと力を込める。

キィー…と、木が軋む音と共に扉をが開き私はキョロキョロと周りを見回した。

長く続く廊下は、近くに人の気配はなく、シンと静まり返っている。

…なんなの?誰もいないじゃない。

客人を待たせておいて、部屋の前に従者もつけないなんて…やっぱりキャンベル家を蔑ろにしてるってことかしら?

思わずピクッと口元が引きつりそうになるのをどうにか堪え、私はそのまま廊下へと足を踏み出した。

さて、どっちに行くのが正解かしら…。

選択肢は、正面、右、左の3つだ。

正面の廊下は、ここに来るまでに案内されておりすでに把握済み。

となると、右か左ね…。

私は右と左の廊下を見比べつつ首をひねった。

私から見て右側の廊下は、日の光が差し込み明るい雰囲気。

そして、左側はカーテンが閉められており昼間だというのに少しだけ薄暗い。