とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


それにしても…ハリス様ってどことなくだけど…雰囲気がシェスに似ているような…?

サラッとした黒髪や佇まいが酷似している気がして私は少しだけ彼に親近感が湧く。

それに、ハリス様とは公爵家当主として色々お話伺ってみたかったな…。

と少し残念な気持ちになりつつも、私は本来の目的である"ロイ・シェラード"を待つことに専念したのだった。


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あーもう!いつまで待たせるつもりなのかしら。

ハリスが去って数刻は経過したというのに、一向に姿を見せない引き篭もり公爵に私は段々とイライラを募らせていた。

自分から婚約したいだの手紙を送ってきておいてこの扱い…キャンベル公爵家をバカにしているのだろうか。

出された紅茶もすっかり冷め、ハリスが去ってからは執事や侍女も全く姿を見せないことにしびれを切らし始める。

…もう待ってらんない。

ふふ、いいわ。

そっちがその気なら、こっちから会いに行ってやろうじゃない?