「あはは…また今度にしよう」

「…そっか。わかった…。じゃあ、明日は?それとも明後日??」

なんか…犬みたいな子ね。

まるで、本当の尻尾まで見えた気がして内心クスリと微笑んだのだった――。


*****


とまぁ、この出会いがきっかけで私はフロイドとして街の騎士団に所属することになったのだ。

そして、かれこれ4年ほど男装をして週末のみ、街に繰り出しているというわけ。

「確かに私がきっかけかもしれないけど…見学に行くだけだと思ったらいつの間にか所属決めちゃってるし…」

「だって、皆剣の腕がすごかったんだもの。私もあそこにいたら技術を学べるなって思ったし…」

「だーかーら!あなたは公爵令嬢なんだから、剣技はそこまで鍛えなくても…というか、今だって十分すぎるくらいよ?」

そう言って、頬付えをつくミリアに私は小さく首を横に振った。

「そんなことない…。結局、シェスにはこの4年、一度も勝てたことないもの。最近じゃ、キースにだって…」

「シェスって…あぁ、あの黒髪美少年…いや、もう美青年かしら?というかね、そもそも男と女じゃ…年齢重ねるごとに筋力とか体力にだって差が出てくるもの。もうしょうがないわよ?」