とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


試合を行っているのは、どちらも私とそう年の変わらない少年たち。

1人は、金髪のくせっ毛にブルーの瞳。綺麗なパッチリとした瞳は吸い込まれそうなほど大きい。そんな可愛らしい容姿は一見すれば女の子と言われてもわからないほど。

もう1人は、そんな彼とは対象的な漆黒のサラッとした癖のない髪。瞳の色はグレーで、こちらもかなりの美少年だ。

「キース!押し負けてんぞ〜」

「…っち。うるさいな。外野は黙ってろ」

うわぁ…口悪っ。黙ってれば天使みたいなのに…。

どうやら金髪の少年の方がキースというようだ。

周りの声援にイライラしたように暴言を吐いている姿に思わず苦笑いを浮かべる私。

そして、もう一人。

金髪の方もかなりの使い手だけど…こっちは別格ね…。

黒髪の方、シェスと呼ばれている少年は綺麗な剣さばきで金髪の少年を翻弄していた。

カン、キンッ!

「……っ」

金髪の少年、キースも懸命に剣を受け止めているが、最後には。

…カランッ!

とうとう押し負けて、剣が手から離れてしまう。

勝負ありね…。