とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


「あ、ごめんなさい。初対面なのについ熱くなっちゃって…」

素直に謝るアンに「いえ、大丈夫ですから」とフォローを入れるミリアに私は心の中でクスリと笑みをこぼす。

なんだか2人のやり取りが微笑ましく思えた。

「えっと…とりあえず、フロイドの剣の腕を見込んで騎士団に勧誘してるみたいですけど…。決めるのは彼自身なんで…まぁ僕もフロイドの剣の腕はそこら辺のヤツなんかよりすごいって思います」

ミリアは私に視線を移し、やんわりとそう答える。

「確かに、決めるのは彼自身だな。それでフロイドどうする?まずは詰所見学からでもいいぞ?」

ハロルドは納得したようにコクリと頷き再度私に声をかけてきた。


街の騎士団の見学…。

どうしよう、すごく魅力的なお誘いだ。

普段なら絶対に関わることのない騎士団の詰所に行けるなんて…、一体どんな強い人がいるのかしら。