パチパチと、目をしばたたかせるミリア。
予想外の出来事に頭がついていかないのかポカンとした表情で立ちすくんでいる。
…いやいや。こういう時こそ口達者なミリアの出番でしょ!アンに何か言ってやって…!
そう心の中でツッコミをいれる私。
しかし。
「そうなの…!うちの兄が今、副団長をしてるんだけどね?あ…!よかったらお友達からも勧めてくれない?街の騎士団だったら給料も悪くないし、ね?」
「…そ、そうですね」
アンに詰め寄られ、あの強気なミリアでさえ若干引きつった笑みを浮かべて、戸惑いを隠せないでいる。
ミリアを困惑させるなんて…アンってすごいわ。
と、私が内心感心してしまうほどだ。
「こらこら。アン落ち着けって。ゴメンね、君も全然状況わからないのに巻き込んじゃって」
ハロルドがアンとミリアの間に割って入り、そう言って、アンをたしなめた。



