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「…なるほど、フローラもとんだ災難だわね。まさか婚約者が、引き篭もり公爵で有名なロイ・シェラードとは…ある意味大穴じゃない??」

「…ミリア、他人事だと思って楽しまないで。私は本当に困ってるの。公爵家の当主になる予定の私の旦那様が引き篭もりだなんて困るわ!…まぁ、従順そうな所と公爵家の次男で養子になれる点はポイント高いけどね」

「あはは。フローラらしい考え方ね!」

ケラケラと、楽しそうに笑う彼女は、幼馴染で、親友のミリア・コールマン伯爵令嬢。

年齢も同じで、コールマン伯爵と父が懇意にしていることもあり昔からよく顔を合わせていたミリアと仲良くなるのにはそう時間はかからなかった。

「それにしても、ミリアは相変わらず情報通ね。まだ、私だってお父様から言われたばかりなのに…」


「まぁね。情報は持って損はないし?」