ハァ…と小さなため息がこぼれる。
とにかく、悩みの種は1日でも早く無くすに限る。
現状は、ロイに宛てた手紙の返事を待つしかないのだ。
…もし、難しそうだったら他の手も考えないとね!
「よし!」と、気合を入れ直し私はクローゼットから今日着るドレスを取り出した。
運の良いことに今日の午前中は、特に予定が入っておらず寝坊してもさほど支障はない。
それに午後からも、隣国へ出張中の父の代わりに早めに片付けておかなければならない書類に目を通す予定だ。
元々、1日屋敷に籠もるスケジュールだったから気が抜けてたのかもしれない。
私が1人でサッと着替えを済ませていると。
「お嬢様、お待たせいたしました。コーヒーです。あと、お腹も空いているでしょうからちょっとした軽食もお持ちしました」
笑顔でコーヒーとサンドイッチをクララが部屋に運んできてくれた。
「クララありがとう。手紙…出してきてくれたかしら?」
「はい!早めにということでしたので速達で出しておきました」
元気よく返事をしたクララに私はコクリと頷く。
サンドイッチといい、速達にした対応といい若いが彼女は気遣いのできる良いメイドだ。
「クララ、もう少ししたら執務室から今日中に片付けないといけない書類を私の部屋に運んでくれる?仕事済ませちゃうわ」



