1人でそんなことを考えながら、私はクスッと微笑んだ。

我ながらナイスアイデアだ。

"引き籠もり公爵"として社交界で、認知されているロイにとっても素顔を知られない仮面舞踏会であれば、きっと参加しやすいだろう。

そうと決まれば…!

私は自室の書斎机に移動し、ペンを握った。

アンとキースには今度会う時に相談するとして、問題はロイをどうやって舞踏会に呼び出すか。

ちなみに、先ほどの仮面舞踏会の主催は、伯爵家のオルレイア家。

私はあまり関わりがないが、確かシェラード家とは輸出業で提携していた。

それなら、確実に来ないだろう引き籠もり公爵へも、体裁的に招待状は送っているはず。

そんな推理を頭で繰り広げた私は、手紙を書くための用紙を広げペンをはしらせた。

【来週、オルレイア家主催の仮面舞踏会にて、大事なお話があります。ロイ様も招待状をお持ちのはず。ご都合つかれますなら、参加なさってください。待っています。フローラ・キャンベル】

こんなもんかしら…?