最後の方は少し口ごもりつつも、キースは、ハッキリとそう言い切る。
キース…。
「キースもこう言ってるんだし、フローラもお願いしてみたら?私が言うのもなんだけど信頼できる男よ」
アンが今度は、"私が言うのもなんだけど"という部分を強調して私に話しかけるものだから、思わずクスッと笑みがこぼれた。
うん。それは…知ってる。
だって、それこそ騎士団の仕事でだって、私は何度も彼に助けられてきたし、信頼できる仲間のうちの1人だ。
「…ありがとう。キースは優しいのね」
私がそう言って笑顔を向けると、なぜかキースはバッと私から視線をそらす。
「べ、別に…優しいとかじゃ。ただ困ってる人を放っておくのは性分に反するし…」
若干、照れているのか耳が赤く染まっている彼を見て口角が緩んだ。
その時。
「よし…!じゃあ、決まりね。フローラ作戦はどうしようか?」
話を先に進めようと私に声をかけたのはアンだった。
「そうね…」