とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


何で2人で言い争ってるんだろう…?

2人のやり取りに疑問を感じ、首を傾げる私。

そんな私の様子に気づいたキースは慌てたように口を開く。

「フローラさんは気にしなくて大丈夫ですから…!アン、変なこと言うなよ」

「別に〜。事実しか言ってないじゃない。ね、フローラ」

「う、うん…。まぁ、2人とも落ち着いて?」

アンとキースに挟まれて、とりあえず相づちを打っていると。

「お客様、お待たせいたしました。お席の方ご準備できましたので、こちらにどうぞ〜」

良いタイミングで、先ほどの店員さんが声をかけてくれたので内心ホッと胸を撫で下ろした。


その後、ようやく席についた私達。

店員から受け取ったメニュー表を眺める。

コーヒーに、紅茶…。
あ、スコーンなんかもあるのね。
どれにしようかな?

魅力的なメニューに私が迷っていると。

「フローラ何頼む?あ、大丈夫。ここはキースが奢ってくれるって」

アンがフフッと微笑んで私にそう声をかけてきた。