とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


「…なぁ、それ俺もついて行っていいか?」

…!?

そんなキースの予想外の返答に私とアンはお互いに顔を見合わせる。

「え、急にどうしたのよ…珍しいじゃない?キースがそんなこと言うなんて」

アンが目をパチパチとしばたたかせながら、口を開くと。

「いや…えっと…その」

何故か答えにくそうに口籠るキース。

その時、彼の視線がチラリと私に移った。

パチッと絡む視線に私は、思わずどぎまぎしてしまう。

な、何…?

そんな私とキースのやり取りを横目に見ていたアンは「ふーん…?そういうこと…」と小さく呟いた。

どうやら彼女は一連の過程で、何かを察したらしい。

しかし、私は結局、理由がわからず首を傾げることしかできなかった。

「…どうする、フローラ?あなたが決めていいわよ」

「へ…?わ、私が…?」

唐突に、アンに話を振られ私はビクッと肩を揺らす。

ちょっと待って…私がキースもついてきていいかどうか決めるってこと…?

再度彼に視線を送ると、キースもジッと私を見つめているものだから、私は曖昧に微笑みつつ頭をフル回転させた。