とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


「ちょ、ちょっと…あなたフロイドでしょ?その格好どうしたの??しかも、キースと一緒にいるなんて」

アンは、コソッと声をひそめて私に話しかけてくる。

「実は、アンに相談があって来たの。男装で行くのもと思って今回は町娘の格好で来たんだけど…まさかこんな所でキースに会うとは思わなくて…アハハ。とりあえず話合わせてもらってもいい?」

私の言葉にアンは、「わかったわ」と呟きソッと身を離した。

そして。

「フローラってば、本当に久しぶりね。よかったらどこかでお茶でもどう?最近、新しいカフェができたのよ」

パチッと軽くウインクをしてそんな提案をするアン。

"相談があって来た"という私の意を汲み取ってくれたようで2人きりになれる場所を提案してくれる。

「えぇ、ぜひ。私も今日はアンに会いに来たのよ」

フフッと柔らかく微笑み返し、彼女に同意する私。

「というわけで、キース。私とフローラはちょっとカフェでお茶してくるからこの辺で。あなたも非番ゆっくりしなさいよー?また、詰所でね」

この場を離れるきっかけ作りが済んだ私達。

最後にアンがキースにむかってそう声をかけたのだが…。