貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!

「あら……もしかして,心配してくれてるの? 頭がふらふらと見るからに揺れている,そんな状態で?」



シェリアがふふふと,私の頭を抱き寄せる。

緊張で強張りはしても,突き放すだけの余力はない。



「あのね,よく聞いてね。ここの責任者は,ダーレンなの。だからね,私達が仮にあなたを人の多い場所まで手を引いて連れ出そうと,殺されちゃうのはダーレン1人なの。監督責任なんて便利でどきどきする言葉,そうそう無いわよね」



だから,手を貸すのは簡単で。

なのに,気まぐれでないと,この子達はただ見て素通りしてしまう。



「普段はこんな面倒なことしないわ。だって,夜雅様の命令だもの」

「私達は望んでここにいる。夜雅様の事は好きだし,衣食住もくれているしね」

「でも私達は,夜雅様の言うことなら何でも聞くなんて事はないのよ? ダーレンとは違ってね。例えばシェイナを殺せと言われたら,夜雅様を殺してでも去るわね」

「そうね,1人じゃまずムリだけど,やりようはあるから」



だからこそ,この子達は,夜雅という人間の両腕。