揺れた身体に,指先がコツンと何かに触れる。
私は
「ぁ……」
と小さく声を漏らした。
『やめた方がいいわ』
そして,目の前の2人が自分に何をしてくれたのか,理解する。
「……ありがとう……でも,2人は……?」
「夜雅様の右腕と言えば分かるかしら? シェイナが左ね」
さらりと,にこにこした平和な表情で告げられ,私は氷のように固まった。
イナは困ったようにわざとらしい息を吐く。
「バカなダーレンはね,勝手に自分を右腕,私達姉妹を左腕だと思っているけど……まぁ,いいわ。そのバカが祟って,もうすぐ棄てられそうだもの」
ふんと嘲笑い,シェイナは黙った。
ダーレンの名前まで出て,初めて私の思考は纏まっていく。
これだけ自信たっぷりに告げられることこそが,本当なのだと思わせてきた。
「あぁそうね,ダーレンってば,あの人も困ったものだわ。古参の中での年功序列だとでも思っているのかしら」
やれやれと,天使のような穏やかな表情で,憂いを乗せた声色で発する。
まるで日常会話のような自然さに,気味の悪さを感じた。
私は
「ぁ……」
と小さく声を漏らした。
『やめた方がいいわ』
そして,目の前の2人が自分に何をしてくれたのか,理解する。
「……ありがとう……でも,2人は……?」
「夜雅様の右腕と言えば分かるかしら? シェイナが左ね」
さらりと,にこにこした平和な表情で告げられ,私は氷のように固まった。
イナは困ったようにわざとらしい息を吐く。
「バカなダーレンはね,勝手に自分を右腕,私達姉妹を左腕だと思っているけど……まぁ,いいわ。そのバカが祟って,もうすぐ棄てられそうだもの」
ふんと嘲笑い,シェイナは黙った。
ダーレンの名前まで出て,初めて私の思考は纏まっていく。
これだけ自信たっぷりに告げられることこそが,本当なのだと思わせてきた。
「あぁそうね,ダーレンってば,あの人も困ったものだわ。古参の中での年功序列だとでも思っているのかしら」
やれやれと,天使のような穏やかな表情で,憂いを乗せた声色で発する。
まるで日常会話のような自然さに,気味の悪さを感じた。



