もしそれが最初の発端だったなら,もし,もし……それが正しい推測なら。

蘭華の屋敷が襲撃を受けたのは,蘭華が狙われたのは……

私が死んだのは。

全て夜雅のせいと言うことになる。

だめ,だめ。

だって,早く手を打たないと。

私は知っている。

あの日の襲撃は……

絶対に,普通なんかじゃなかった。



「あー,嬢ちゃん。怖がらせちまったな,俺としたことが,女の前でする話じゃ無かった。わりぃ」



私の,完全に青ざめ乾いた表情を誤解したのか,ベルトゥスが申し訳なさそうな顔をする。

その言葉に私を見た蘭華は,焦ったように私を抱き締めた。



「蘭……華?」

「凛々彩,大丈夫。そんなに震えなくていい。帰ろう,今すぐに。誰が見てるか分からないからね」



私は蘭華をきゅっと握った。