「アクセサリー?」
「みたいだね」
綺麗な石を基調にしたアクセサリーが,数種類並んでいる。
そこそこの丸い石,小さく尖った石。
色々な石を扱っているようだった。
ブレスレット,ネックレス,イヤリングにピアス。
髪を結ぶのに使うヒモ。
どれも私の目を引いた。
あまり見ないタイプのものだ。
「どれか気になる?」
「……いいえ」
本当はとても羨ましいと思うけど,残念ながら私の手元にはお金がない。
一文無しで拐われて来てしまったから,稼いだお金もとっくに誰かに盗まれ去った後だろう。
だからと言って,前よりも贅沢に過ごさせて貰っている身としては,生きるのに必要のないアクセサリーを蘭華に買って欲しいとねだるのも違う気がする。



