「……待たせてごめんなさい,蘭華」
どう? と背筋を伸ばして,上目に尋ねる。
「出来るだけ言われた通りになるように,頑張ってみたんだけど」
蘭華にはもっとセクシーで大胆な格好のが良かったりしたのかな。
肩や背中くらいならと探したものの,私の部屋にその用意は無かったのだから,仕方ないのだけど。
好きな人には褒められたい。
それは年齢を問わず存在する気持ちのはずなの。
「……蘭華?」
どうしてなにも言ってくれないの?
大袈裟に褒めて欲しいと言ってるんじゃない。
これでいい? って,確認してるだけなのに。
他の人には,簡単に褒め言葉を口にしていたのに。
そんなにだめ,だったかな……
「うつむかないで,凛々彩。せっかく可愛いんだから」
さらりと頬を撫で,耳元に口を寄せた蘭華。
「ぇ……」
そのとびきりの甘さを含んだ声に,驚いて顔をあげた。



