私は知っている。

覚えている。

諦めたら,その存在を求めれば全て終わりだと。

私を回収して次は与えないのだと,最初に彼が条件の1つにしていたこと。

決して不幸にはならない,奇跡は語っても,神の存在を公にしない等,沢山の条件をクリアしながらも。

ダーレンの元であなたを求めた私を,見逃してくれたこと。

まだろくにお礼も言えてない。

助けてくれた神様の真意を,気にかけてくれたその理由を。

まだ,聞けていないのに……。

その,違和感を。

正体を。

何一つ明かせないまま。

私は



「り,りあ。凛々彩……!!!」



やたらと困惑する蘭華の腕の中に,戻った。