「お疲れ,凛々彩」



ふにゅんと。

誰かが私の頬を摘まんでいる。

顔をあげると,背の高い金髪の……美形。



「なに,してるの?」

「ただの確認だ。気にするな」



不遜な態度も当たり前。

だって,誰に敬意を払う必要があるだろう。

目に前にいるのは,私に2回目をくれた神様なのに。



「……ふふふ。ありがとう,神様。……ただいまです」



これから私はどうしたらいいの?

と無言で首をかしげる。

受け取った神様は,私の顔をじっくりと見た。

何秒も経過し,何分も経過し。

ようやく彼は口を開く。



「戻りたいか? 凛々彩。自分で手にした明日を,あいつと生きたいか?」

「え……」