瀕死で,また来ると言うような軽さで1人撤退しようとした夜雅。

それを追う蘭華。

夜雅の命令で蘭華を狙う男。

私は咄嗟に声をあげて,面白がった夜雅は標的を変え。

夜雅へ一撃を入れるか,私を狙う男を撃つか。

そのたった2択を一瞬のうちに迫られ,蘭華は。

きっと何も考えられてなどいなかった。

動揺を見せ,一瞬に。

2発の銃声は響いたのだ。

1つは私に致命傷を追わせ,もう1つは狙いをぶれ夜雅の肩を貫いた。

私は倒れ,蘭華は私へ駆け寄り,夜雅は……分からない。

ふらふらと,まだ歩いていたのは覚えている。

……また,私は死ぬんだろうか。

あの人生最後みたいな涙を下から見るしか無いんだろうか。

ねぇ,待って。

蘭華



「あいしてる」



そうだとしても,これだけは伝えなきゃ。

そうでしょ?

命のすり減る音がする。

最後の一秒に,銃をもつ男と目があって。

避けられるわけもなくて。

銃声は鳴った。

蘭華は……

迷わず私を取った。