ドンと後ろで普通じゃない音がする。

私……気付かなかった。

足を鋭く向けているシェイナと足を回し受け止めるカイの姿に驚く。

けれどシェイナの狙いは私にあるため,シェイナは私の肩か,はたまた首に手を伸ばした。

私の後ろの方では,着地したシェリアがにこりと微笑みかけてくる。

シェイナの腕は引っ込み,またもや攻防を続けるカイ。

シェリアが私に辿り着くまで,あと

6·5·4



「っカ……っ」

「こっちです! 凛々彩さん!!!」



一瞬奪われまいとカイが振り向くも,私の腕を引く少年を見てにやりと笑った。



「サム,任せた。この双子のガキは俺が預かる」

「すみません! お願いします!」



サム。

蘭華の近くにいなくていいの?

あんなに心配そうに近くから離れなかったのに。

あんなに遠くから,わざわざ私を探しに来たの?

サムに手を引かれることしか,守られることしか出来ない自分が悔しい。