貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!

落ちている銃を拾う。

使ったことなんて無い。

でも,至近距離で外す程ではないはず。

私を抱き締めるように後ろから延びた手に,私は足元を狙い発砲した。



「うガッ」



当てるつもりはなかった。

けれどきちんと男の足首を貫通してしまい,私は目をぎゅっと瞑る。



「ごめんなさいっ」



そして,これ以上の攻撃が必要でなくなるよう,走って逃げた。



「はあ,はあ」



どう,したらいい。

蘭華はどこへ行ったの。

2人とも大きく立ち回っていた。

自分にまで攻撃が来るせいで,すぐには見つからない。



「目を覚ませ蘭華! 夜雅は引き受けるから,お前は他のやつを守れ!」

「…っるさい」

「おいおい,ケンカしてる場合かお前ら。まぁ俺は2人がかりでも構わねえけど,なぁ!?」



高笑いが響く。

蘭華の落ち着きを取り戻すことには失敗しているようだった。

1番は夜雅だけど,3人それぞれ怪我を負っている。