「ん……」



冷気に目覚めるのが不思議ではなくなったある日の朝。

私は変わらず健康に目を覚ます。

カイは戻らず,花屋の維持で持たせていた花束はとうに枯れてしまい。

私はいつか蘭華に貰ったまま傷を増やしているブレスレットを擦った。

寝坊してしまったわと仕事を終えると,アンナは眠気も吹っ飛ぶ笑顔で気にするなと笑う。



「蘭華はどうしてるの?」

「んー,どうだかね。自室にいらっしゃるとは思うけど」

「あぁ,蘭華さんなら寝てるはずだよ。昨日もピリピリしてたからな」

「ありがとう」



顔馴染みの1人が横から顔を出した。

なら訪ねるのは後にしようと,私は庭へ行く。

蘭華の両親のお墓へ手を合わせ,私は何となく縁側へ座った。

ほうっと吐くと,白い。

ちょっとした心細さが私の胸を占めた。

何なんだろう,近い,からだろうか。