日差しに目を細める朝。



「リリー。何してんの? 雑用?」



私は普段見ない顔に声をかけられる。



「おはよう,カイ。今朝は珍しく早いのね。私は洗濯物を干してるの。いつも仕事を分けて貰ってるのよ」

「リリーの声がした気がして」



大抵は午前中に終わってしまうから,カイを起こすのが私な以上知らなかったのだろう。

カイの目に不審が浮かんだのを見て,私は柔らかく笑いかけた。



「俺も手伝うよ」



ぼさぼさ頭が近づいてくるのがおかしかったけど,気持ちは嬉しい。

私はほんの数分だけお願いすることにする。

少ししてちらりと見ると,大きなシーツに苦戦しているカイが目に映って。



「……何で笑うんだよ,リリー。仕方ないでしょ? こいつがでかすぎるんだよ」

「ふふ,何でもない」



他の洗濯物は綺麗に干されているから,案外ベルトゥスの所でもお手伝いしているのかしら,なんて。

私はたまには人とゆっくり仕事を片付けるのも楽しいと思った。