私は,今世での蘭華との最初を思い出していた。
キスされたことも,泣いてしまったことも,それを誤解させたままだったことも。
こつんと,蘭華は私に額を合わせる。
こんどはソフトなキスを唇に受け,素直に赤面した。
抱き締められ,見つめられ,あちこちにキスをされる。
私は睫を下ろし,目を閉じた。
蘭華がそれを目で確認する。
お互いの吐息が交わり,キスを受け入れたとき。
心は繋がり,全てが始まった。
夜も更け,目を覚ます。
蘭華は言葉少なに,私を丁寧に扱って,夜食も用意してくれた。
1日眠りこけていた分,お腹はすぐになって。
蘭華と共に食事を終えると,心配していたのが嘘のように,私はまた眠りについた。



