その後。

休めと言われた私は,思いの外また眠りすぎてしまい。

気がつくと翌日の同じ時間だった。



「私……今日眠れるのかしら」

「心配なら僕が一緒に寝てあげようか?」



蘭華の出現に,私の肩が跳ねる。



「早いけど,夕食にしようか。その前に喉も乾いてるでしょ? 凛々彩」



渡されたのは少し大きなコップ。

中には冷たすぎない水が,たぷんと注がれていた。



「ありがとう。……カイは?」



きょろきょろと辺りを見渡す。

もちろんカイが私が寝ているだけの部屋にずっといるなんて思ってはいないけど,私が蘭華に頼んでしまったこともあって気になった。



「起きて早々カイの心配? 僕は正直嫌なんだよね」

「……どうして? 蘭華もカイとは知り合いなんじゃないの?」

「そりゃああの性格を多少ベルトゥスの事よりも気に入ってはいたけど」



蘭華が寝台に上がってくる。

驚いて場所を空ければ,私の横で止まった蘭華は,私の肩をゆっくりと押した。

状況の飲み込めない私は,簡単に背中を柔らかくする。

ぽふり。

感触の次に聞こえた音に,私はぱちくりと瞬いた。