「カイ·バーナード,長ったらしいからベルトゥスでいいっていってんだろ。……忘れてたのは悪い,入っていいぞ」
「人の寝室に勝手に許可与えないでくれる?」
蘭華がカイ,と呼ぶと,カイは足取り軽く入ってくる。
私の記憶そのままの彼に,突然のことで驚いてしまった私。
思わずカイ! っと言ってしまいそうな所を,片手で押さえ込んだ。
「わお,綺麗なねぇちゃんだな。いくつ?」
私が元々知っていた年齢の頃とは少し変わっているものの,前世で再開した彼とは当たり前だけどちっとも変わってない。
戸惑うことも怒ることもなく,ただくすくすと笑うだけの私を,皆は不思議そうに見た。
カイ·バーナード。
幼少期,お母さんがまだ生きていた頃。
近所に住んでいた,私の唯一のお友達。
「久しぶり,カイ」
面食らった顔のカイは,何度見ても飽きない。
素直で可愛いとさえ思う。
「凛々彩? どういう意味?」
蘭華は,カイは蘭華とベルトゥス,餌付けに成功したアンナ以外にはフルネームで必ず呼ばせるのだと説明した。
内気だった幼少期と,明るかった前世のカイしか知らない私はうまく飲み込めなくて,こてんと首をかしげる。
カイがまだ目を丸くしていたので,私はもう一度だけ話しかけてみた。
「分からないの? いくつと聞いたけど,同い年よ。……前はうちの店のお花でブーケを作って,私にプロポーズしてくれるとまで言ったのに」
前世では直ぐに思い出してくれた。
だから昔の可愛い誓いの話は出さなかったのに。
あんまり思い出してくれないから,恥ずかしいだろうと思いながらも口にしてしまう。
「人の寝室に勝手に許可与えないでくれる?」
蘭華がカイ,と呼ぶと,カイは足取り軽く入ってくる。
私の記憶そのままの彼に,突然のことで驚いてしまった私。
思わずカイ! っと言ってしまいそうな所を,片手で押さえ込んだ。
「わお,綺麗なねぇちゃんだな。いくつ?」
私が元々知っていた年齢の頃とは少し変わっているものの,前世で再開した彼とは当たり前だけどちっとも変わってない。
戸惑うことも怒ることもなく,ただくすくすと笑うだけの私を,皆は不思議そうに見た。
カイ·バーナード。
幼少期,お母さんがまだ生きていた頃。
近所に住んでいた,私の唯一のお友達。
「久しぶり,カイ」
面食らった顔のカイは,何度見ても飽きない。
素直で可愛いとさえ思う。
「凛々彩? どういう意味?」
蘭華は,カイは蘭華とベルトゥス,餌付けに成功したアンナ以外にはフルネームで必ず呼ばせるのだと説明した。
内気だった幼少期と,明るかった前世のカイしか知らない私はうまく飲み込めなくて,こてんと首をかしげる。
カイがまだ目を丸くしていたので,私はもう一度だけ話しかけてみた。
「分からないの? いくつと聞いたけど,同い年よ。……前はうちの店のお花でブーケを作って,私にプロポーズしてくれるとまで言ったのに」
前世では直ぐに思い出してくれた。
だから昔の可愛い誓いの話は出さなかったのに。
あんまり思い出してくれないから,恥ずかしいだろうと思いながらも口にしてしまう。



