貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!

「ここか!! 凛々……」



突然の侵入者。

誰だか理解して,真っ赤になる私はその方向に顔を向けられない。

ぶわりと蘭華の殺気がしたけれど,それどころではない私は目の前のシャツをつまんで引き寄せる。

蘭華が動きを止めたのを感じて顔を隠すように身体を起こせば,蘭華はそれを咎めず固まっていた。

そっと頭を撫でるようにして引き起こされる。

私は密着したまま,ちらりと入り口を見た。



「ベルトゥス……あの……その」
 


このゼロ距離を知り合いに見られる恥ずかしさに加え,別れた時の気まずさもある。

何かを飲み込むようにして眉間を揉んだベルトゥスは,真っ直ぐに私を見た。

トストスと近付いてきて,ベッドの前で膝まずく。

驚いていると,蘭華は私を引き離すように抱き締めた。



「良かった。……いや,全く良くはないんだが。すまなかった,凛々彩」



守ると約束したのに,と。

折角の大きな身体が小さくなってしまっている。

驚いた私が身を乗り出すと,蘭華が止めた。

抗議の視線を向けるも受理されることはなく,私は仕方なくその場で口を開く。