貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!

蘭華はぼんやりとした目つきで,私の頬を挟んだ。

ぎゅっと目を瞑ると,その手は首筋をなぞるように下りて。

最後は腰をつかむように持ったかと思えば,少しも隙間が空かないように強く抱き締められた。



「あんなやつの手に渡してごめん。触れさせてごめん。思い出すだけでも,怒りで抑えられなくなりそうなんだ」

ー凛々彩が,全部僕のものだったらいいのに。



怒りと派生した別の感情が,熱い吐息となって私の首筋に触れる。

私は確かに聞こえた言葉が,純粋な蘭華の望みが信じられなくて腰を反らした。

蘭華が私に情欲を向けるなんて,考えたこともなかった。

とろけるような青に気付いてしまうと,目が離せない。

染まった顔のまま,いいともだめとも,気にしないでの一言すら言ってあげられない。

頭がふやけて,恥ずかしさにおかしくなりそうになる。

私の滲んだ瞳を見て,唇を震わせた蘭華は。

ゆっくりと抱えるように抱き締めて,私の首筋へ噛みつくように口を開けた。

食べられるのかと思うほど,蘭華が時間をかける。

ちりりとした痛みに驚けば,次には蘭華が私に跨がっていた。

キス,される。

そう感覚で理解して。

蘭華はまた首筋に,瞼に,頬に軽くキスを落とした。

身じろぎひとつしないまま受け入れると,最後はじっくりと目が合って。

私が蘭華の首に手を回すのと同時,唇が触れ合った。



「ん……。?」



外が,騒がし……