「眠たいの? 凛々彩。それともほんとに,甘えたくなっちゃった?」
腰に手を添えた蘭華が,するりと撫でる。
私は素直に
「うん……」
と目蓋を下ろして,恥ずかしいなりの返事をした。
ぴたりと蘭華の動きが止まる。
ゆっくりと瞳を向けると,蘭華も私を見ていて。
囚われるような感覚に,ゆっくりと心拍が上がった。
ゆるい青が困ったように変化していく様子を,私は見ている。
ついにははあとため息まで吐き出されて,私はその熱っぽさに肩を震わせた。
蘭華?
どうしたのと,胸から肩へ移動させようとすれば。
動かないでと咎められる。
それが確かに咎める音だったので,代わりに私はお尻を落とした。
少しきつかった体勢からすとんと落とし,蘭華と正面から瞳が向き合う。
その近さに,私は驚いて赤面した。
「ほら,逃げないの」
そう言って,どこか嬉しそうにした蘭華は。
私は出来なかったのに,いとも簡単にその身体を抱き締めてしまう。
ぎゅっと密着した身体が,余計に耐えがたい。
くるっと,視界が回った。
次にはぼすっと音が聞こえて,私はぱちぱちと確かめるように瞬く。



