「凛々彩……!!!」



突然私を襲った温もり。

涙色の深い声は,深い安堵の感情に大きく震えている。

蘭華は微弱に震えた私の肩を,咎めもせずに強く抱え込んだ。

存在を確認するように,私の小さな肩に首をかけて。

表情を崩した私も,蘭華の肩に顎を置く。

1つになってしまいそうなほど,深い密着だった。




「良かった……!!!」



よかった。

そう言って貰えることが,望んで貰えることが。

今の私にとって,どんなに嬉しいことだろう。

言葉なんて1つも出てこなくて,ただ泣きじゃくる私の姿は。

20を越えているとは思えないくらい,もっと幼い少女のようだった。