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蘭華を落とす。

そう息巻いて,1週間·2週間。

3週間以上が経った。

沢山の本と,1日3食おやつ付き。

本を読んで,読んで,流石に暇。

その上全て1度読んだものばかりだ。

何せ,蘭華が不在。

私に出来ることは何もなかった。

着物と簪。ちょっとしたお洒落をした私は,気晴らしに屋敷を回る。

広いお屋敷は,考え事や気晴らしに最適だと思ったから。

私は,1度死んだ。

殺されたし,見殺しにされたとも言う。

そのくせ,蘭華が泣いてしまうから,私は戻ってきた。

蘭華を落とす。

何よりも優先して貰えるように。

でも…私にそんなこと出来る?

沢山の女性が,失敗して虜になって捨てられてきた。

色気も何も備えていない私に,出来る?

前回,好きとはついに言われなかったけど,私は蘭華に大切にされていたと思ってる。

他の女の人の所には行かなくなったし,私が嫌がるからと残虐なことは最小限にしてくれるようになった。

一度目に出会った時,私は蘭華の周りの女の人と,確かに違っただろう。

何も知らない,21にもなって純粋だけが取り柄の女だった。

だけど,泣き叫ぶような真似はしなかった。

暇に耐えられず,蘭華に話し掛けるような,おバカな女だった。

でも今は違う。

前のままではきっと繰り返してしまうし,蘭華がくれる優しい瞳も知ってしまった。

もう一度,自分に問う。

私に,出来る?

今の私は蘭華に好かれる女の子?