貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!

ここで終わるのも,奪われるのも。

私にとって,1番あってはならないこと。

私の隠し事を,見逃してくれた蘭華。

蘭華や私を大切に思い,けれど私を好きだと告げたベルトゥス。

彼らはとても強い。

この島にたった3人の支配者のうちの2人。

待ってさえいれば,私を助けてくれるって,信じてもいい?

2回目の人生は,より臆病になった。

蘭華からの愛があるのか,分からない。

好かれていないのか,多少好かれているのか。

前回と比べてみても,こうとは言えない。

たとえ2回目だとしても,明確な愛を貰ったことは1度もなかったから。

ここに来てからも,蘭華が来てくれるかもしれないなんて。

小さな希望は,ずっと無視していた。

責任を感じるであろうベルトゥスは来るかもと思いつつ,蘭華が来てくれることだけは,ずっと期待しないでいた。

たとえ不可能でも,自分で何とかしようとばかり頭を働かせていた。

なのに,でも。

でも,いる。

そう,どうしよもなく感じてしまう。

蘭華,助けて。

私をはやくみつけて。

蘭華じゃなきゃ,私,いやなの。

前も今も,蘭華だけがいい。

私をみつけて,抱き締めてほしい。

誰の手にも,渡らないように。

つ……と涙が頬を流れて。

反対の頬に舌を這わすダーレンが,どうしよもなく嫌だった。