一期一会。−2−

心の雨に、そっと傘をさしてくれる。

食べ終わったお皿を回収して洗って、
諸々の家事をパパッとこなした。

ふふ、何か同棲してるみたい。

新鮮で、面白い。

…って、私何変なこと妄想してんの!

後は寝るだけになって、葵に部屋まで戻れるかと聞いたところ、微妙な顔をされた。

手伝うよ、と言った瞬間、葵の目が死んだ
気がした。

ん?何か、今、心の中で貶されたような…。

倒れたら危ないし、肩くらいなら貸せる
はずだもん。

意気込む私を葵は珍しく冷たくあしらった。

「平気、もう帰っていいよ、ありがとう」

目線も合わせず、心なしか声も冷たい。

葵に突き放されたのは初めてだから、
戸惑った。

なんで、拒絶するの…?

葵のことが心配で、良くなってほしいだけ
なのに。

葵だって、私のこと心配してくれるじゃん。

私のお見舞いは…葵にとって、迷惑なの?

若干傷ついて反論している内に、
葵の寝室に来ていた。