一期一会。−2−

『私、貴方とお友達になりたくて』

「…友達?

 俺が組の若頭だって知ってて
 言ってんの?」

友達宣言に、あからさまに顔をしかめた
古立君。

いや、どうせ(強制的に)友達になるんだし
和でいっか。

前までは、友達ごっこは仕事に入ってない
とか何とか言ってたけど、逆転だね。

「…顔とか地位とかが目的なら、
 止めておいたほうが身のためだぞ」

何かを諦めたみたいに真っ黒な瞳をして、
低い声で忠告してくれる和。

いや、いい子か。

わざわざ、そんな止めに来るか?普通。

騙し甲斐がありそうな鴨が来たぞ…って
しめしめと思うんじゃないのかよ。

実は、そんな悪い奴じゃなかったり?

私と同じように何か薄暗いものでも
抱えているように感じた。

まぁ、そうじゃないと、真っ当じゃない
世界にいるわけないよね。

彼は、本当に組に居くているんだろうか?

真相は、きっと和にしかわからない。

…けど、どんな事情があれ、真実があれ、
私が和に近づかない理由にはなるまい。

私は、ソウ君のために、和と仲良くなる
んだ。