一期一会。−2−

『…は?』

屋上は、一応立ち入り禁止エリアである。

私はソウ君の神聖なるパワー(権力)により
許されてますけど。

…誰かいたの!?

バッと振り返れば、そこには銀髪に、
青い目をした男が仁王立ちで私を睨めつけているではないか。

絶世のイケメン…ということは。

『古立、和…?』

さっき、“俺”って言ってたよね!?

まさかの天敵?とバッティング!!

願ったり叶ったりの奇跡である。

ゲームでレアキャラを発見した気分。

向こうは私を全く知らないため、かなり
困惑していた。

一方的に情報得ただけだもんね。

しかも、これは秘密裏の行動だからね。

「…お前、誰なの?」  

待ってました、その質問。

『奥薗彩羽、1年、同じクラス』

「…いや、そういうことじゃなくて」

簡潔に返したら、うーん?と首をひねられた。

ツッコミがお上手なことで。

分かってるって、私が“何者”かって
ことが知りたいんでしょ?

そうとなれば、にっこり作り笑顔。