じゃあ、私、やっぱりアンタを逃さない。

もしも、ソウ君に害をなす、もしくは、
日下組にデメリットをもたらすような奴
だったら…。

ー容赦なく、この手で潰してやるよ。

まぁ、現時点で既に一回くらいは
殺りたいくらいなんだけどね!

そうとなれば、まずこのファンクラブを
どうにかしなければ。

付き纏われてちゃ、古立に近づけないから。

私を真剣な瞳で見つめる桜ヵ谷さんに
とりあえず笑顔を貼り付けて言った。

『ファンクラブか何かは知りませんが、
 解散しろとは言いません。

 ただ、私に必要以上に踏み込まないで
 下さい』

私には、私のやるべきことがある。

でも、人の趣味や信仰をとやかく言う権利
は持ち合わせていない。

だから、最低限の線引をしておくのだ。

ピシャリと叩きつけた条件に、
桜ヵ谷さんは悲しそうに顔を歪めた。

だけど、それと裏腹に、

「ブラックな彩羽様も素敵…」

と言っていて。

…コイツ、どれだけ言ったら挫折を
知るんだ??

底なしの強メンタルに引いた。