多分、寝顔見られたとか、ほっぺ触られたとか、不覚の事態に照れてるんだろうな、とか内心思いながらも見守りに徹する。

二人の距離の近さは邪魔したくなるけど、
ここで止めたり巻き込まれたら、面倒くさそうだから。


「…彩羽、お前…何してんの?」


グイッと彩羽の手を引き自分の方へ寄せて、意地悪く笑う和は見事なSっぷりだ。

あー、オレは何も見てない。


「あっはは…おはよー、和」


笑って誤魔化そうとする彩羽を逃さず、和はニコともニヤともとれる悪魔的な笑みを浮かべた。


「俺の寝てる隙を襲うなんて、覚悟はできてるんだろうな?」


うん、これは完全に彩羽の自業自得。

にしても和も大概嫌そうなのに、この光景は戯れているようにしか見えないのが不思議だ。


「頼人ぉおお!助けてぇえ!」


ガッチリ和にホールドされながら、オレの方へ手を伸ばしてくる彩羽。

オレは笑って親指を立てた。


『グッド・ラック』


嫉妬やらでちょっと悔しいから今日は敢えて助けてあげない。



そしてその数秒後、彩羽は和にコショコショの刑に処されていた。