葵からしたら、僕の構ってアピールはかなり鬱陶しいのだろうけど。

…でも、無視は良くないよね?

『無視?無視なの?

 それが友人に対する態度なの?

 ねぇ、ねぇ、ねぇねぇねぇ』

僕を無視とは良い度胸してんじゃん。

しつこく迫ったら、葵は此方に目を向けることなく、「ウザい」と言い放った。

途端に、カッチーンと何かのスイッチが入った。

『はぁああ!?

 ほんっと、愛想無さすぎ!

 あやへのデレ少しは分けてくんない!?』

キレて叫ぶ僕は悪くないと思う。

あやに対しても同じ態度取れんのかコラ。

葵のあやへのデレ具合は人格崩壊を疑うレベルだ。

あやが葵の彼女になってからというもの、日増しにデレがキモくなってるし。

その分、周りに対してはツンが増えていってる気がして厄介だ。

ー「可愛すぎて、どこにも行かせたくない」

葵の口から、少女漫画的なセリフが出てきたときは鳥肌が立ったよね。

同じ人物なのかな、ヤバいくらいに極端だよ。