一期一会。−2−

和が、私の病室の入口の前に立った。

その手には、綺麗な花束が握られていて。

私を真っ直ぐに見つめてくる和の目には、うっすらと涙が滲んでいた。


「…目、覚めたのか」


『うん』


「…庇ってくれて、ありがとう」


『うん』


「…守れなくて、ごめん」


『…』


一言一言に、色々な感情が溶けていた。

安心、申し訳無さ、後悔、罪悪感、感謝…。

和は、私と距離をあけて話していた。

…終わりよければ全てよし、なんて言葉で終わることはできないと悟った。

そりゃ、和からしたら、トラウマにもなるよね。

…でも、これも全て、私が自分の意志で和を救けようとして起きたこと。

そんな私が、和に言えることはー…。



『…謝らないで。

 私、和を救けるために、黃鳥高校に入ったんだよ。

 和が望んでも、望まなくても、側にいるって決めてたんだ。

 …たとえ、“王蝶”ってことがバレても、守りたかったんだよ…』