一期一会。−2−

中学生になった時、学校内で一目置かれる不良に成り上がった。

喧嘩をしても、一切負け無しの鬼才だと謳われることもあった。
 


…どれだけ強くなったら、あの子を守れるだろう。



いくら周りからもてはやされようと、俺の中にある罪悪感は消えてくれなかった。



高校生になり、ある族の総長に君臨した。

別にしたいと思ってなったわけではなかったけど、守るべき仲間が出来たことで、多少変われた気がした。

人として、成長させてくれた場所。

それから、家には帰らなくなり、族の倉庫に入り浸るようになっていった。



ー…そして、その後、彩羽と再会した。



大きくなった彩羽は、可愛くて愛しいままだった。

俺の喧嘩に憧れたらしく、真剣に頼み事をしてきた。


ー「私に喧嘩を教えて下さい」


近づいたら駄目だと思った。

あの日、突き放したくせに、なんて都合がいいのだろう。