その後、何事もなく入学式は終わった。

しばらく、生徒や保護者が混んでいるため
落ち着くのを待つ。

頼人と、ケーキはショートケーキ派か
チョコレートケーキ派かで論争していた。

…そしたら、目の前に立ちはだかる人の
影。

「『ん?』」

その正体は、気の強そうなオレンジ髪で、
綺麗にクルクルに巻かれたアメリカ系の
顔をした美少女。

え、誰ですか!?

その人物は、すうっと息を吸って、
私の方をカッと目を見開いて見てきた。

「You're good looking!

I'm a big fan of you!」

「『………』」

外国人…!?

多分、頼人とシンクロしてたと思う。

興奮しているのか、英語で話しかけてくる。

えーっと?

『…It's hard for me to understand
what you say.』

いきなり、“可愛いね!大ファンです!”
なんて言われても意味わかんないよ。

私、アイドルじゃないし!