よっしゃああ!

緊張で何言ったか覚えてないけど、
とりあえず達成感しかない。

ペコリと、一礼すれば、パチパチと小さな
拍手が上がりだし、更に大きな拍手に
体育館中が包まれた。

ええぇ!?

ただ読み上げただけなのに!

中には泣いている人もいるし…何故?!

すっかりカオス空間の出来上がり。

戸惑いながら、さっさと退陣した。

拍手は一向に鳴り止む気配はない。

本気で何これ…??

黒髪のマイクの主は、降りてくる私に

「ご協力、ありがとうございました」

とにっこり、黒さが滲む笑顔を浮かべて
言った。

こんなことだと知っていたら、サボってた
けどね!

それを見越してギリギリまで言わなかったなら、とんだ策士だ。

私は、無表情で一瞥すると、席へ戻った。

本当は退場したいけど、目立つし…。

「お疲れ様、良かったよ」

『…ん』

能面で戻った私を、頼人が柔らかに
慰めてくる。

あー、沁みるわぁ。

頼人はええ子やなぁ。

なんて、関西弁で感動していた。

頼人が友達で良かった…。