一期一会。−2−

ソウ君は、顔を歪めて苦しそうに言った。

「…っ、俺は、お前の兄でいたら駄目なんだ。

 そんな資格、とっくに持ってないんだよ…」

自分を責めるような言い方に、胸が締め付けられた。

そして、確信した。

ソウ君は、…やっぱり優しい人だ。

資格なんて、そんなの。

『…そんなの、知らないよ。

 資格も何も、お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょ!』

涙を振って、叫んだ。

お兄ちゃんは、確かに私のこと傷つけたよ。

私を絶望の底へ、叩き落したよ。

でも、私は…ソウ君に救われたんだ。

ソウ君に出会ったあの日、あの時、救われたんだよ…。

ソウ君は、首をフルフルと横に振って子供みたいに認めようとしなかった。

悲しみと傷つきで満ちたその表情は、見ていて辛かった。

言いたいこと、いっぱいあるよ。

あの日、どうして私を捨てたのか聞きたいよ。

…でも。

まだ、その時じゃない。



すべてが、終わるまでー…。



「…彩羽、いいな。

 くれぐれも、家から出るな。

 葵達に付いていてもらう」

声を落として、ソウ君は私から離れていく。