一期一会。−2−

「彩羽」

『…!…ソウ君?』

夏祭りを終え、始まった夏休みのあくる日。

家でゴロゴロしていた、至って平日の夜。

突然、何の前触れもなくソウ君が現れた。

切羽詰まったような顔をしているソウ君はスーツ姿で。

仕事モードの格好を見るに、忙しい最中にやって来たのだろう。

目があった瞬間、心臓が跳ねた。

…ソウ君が、お兄ちゃん。

気づいてしまったこの真実は、まだ見ないふりをしておかないといけない。

「…彩羽、お願いがある」

それほど真剣なお願いなんて、今までされたことなかったのに。

嫌な予感が、する。

「…8月9日は、外に出ないでくれ」

今は、休みの間だし、8月9日も、恐らく予定はなく、暇な一日を過ごすことになるだろう。

…外に、出るなって。

言われて直ぐに、頭に浮かんだ言葉。 


ー…抗争?


時間がないことは分かっていた。

でも、…でも、もう、なの?